母からのメッセージ

12月も半ば、暮れに向けていろいろ処分しようと片付けていたところ、
小さなダンボールが出てきました。
開けてみると、歴代の卒業アルバムが入っていました。
中でも一番古かったのは、幼稚園の卒園文集です。
その中に、母が私に充てたメッセージがありました。
当時は立派な印刷機などなかったので、手書きのガリ版刷りです。
母の達筆で力強いペンのタッチまで伝わってきました。
ちょっぴり恥ずかしいのですが、ここに掲載します。
母が40歳の時、5歳の私に想いを込めて書いてくれたものです。

葵月代 おめでとう
夢のように過ぎ去った昨日までは
使い古したカレンダーです。
病気で苦しんだことも 悲しく泣いたことも
みんな忘れて 春雪どけとともに
希望と期待で 1年生になるでしょう
冬の寒い吹雪の日も また照りつける夏の暑い日も
それはみんな今日の試練なのです
キラキラと光る大空にはエネルギーがいっぱい
葵月代の小さな体には 如何なることにも耐える
弾力が潜んでいることを 母は信じたい


 祈る
 強く正しく朗らかに
 美しく明るい花のごとく
 
 —母より—
 
今、このメッセージを書いた時の母より、年が過ぎた私。
母がどんな想いで書いたのかを思うと、涙が止まりませんでした。

私は子供の頃、とても身体が弱くて、昼夜問わずによく病院に連れて行かれたものです。
病院の先生も心配して、「ちゃんと小学校生活できるかなぁ」と言われるほどだったとか。

今年、はからずも大病をした私が、何十年ぶりかで再会したこのメッセージは、変わらない母の想いと受け止め、心にしっかりと刻みました。


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