第141回 アドラー心理学とレジリエンスで、しなやかな心作り① 「どうすれば未来志向型になれるのか?」

こんにちは!アドラー心理学研究会Plus代表の佐高葵月代です。今年もどうぞよろしくお願いいたします。1月18日(土)と19日(日、オンライン)に、第141回アドラー心理学研究会Plusを開催しました。今回のテーマは、「アドラー心理学とレジリエンスで、しなやかな心作り①『どうすれば未来志向型になれるのか?』」です。

レジリエンスとは?

レジリエンスとは、ストレスや困難から立ち直る「心の回復力」や「変化への適応力」のことです。かつては「ストレスに強い心」が重視されていましたが、今では「柔軟に対応できる心」が求められています。レジリエンスは「心の筋肉」のようなもので、鍛えることでしなやかさが身につきます。

アメリカ心理学会によると、レジリエンスは「逆境や困難にうまく適応する力」と定義されています。一方、被害者意識や自己批判はレジリエンスを妨げる要因となります。

レジリエンスを育むためには、6つの要素(力)が必要とされています(下図)。

研究会では毎回1つずつ要素を取り上げ、アドラー心理学との親和性やその力をつける方法を学んでいきます。

今回のテーマ:プラス思考(楽観性=未来志向)

楽観性とは、物事を前向きに捉える力です。たとえば、失敗を「成長の機会」と考えたり、「さらに良くなる」と信じる思考です。これにより、ストレスへの恐れを和らげることができます。アドラー心理学でも大切にしている心構えです。

楽観性のポイント

  1. ストレスを「挑戦」として受け止める。
  2. ストレスの原因を「コントロールできる部分」と「できない部分」に分けて考える。
  3. コントロールできる部分には、自信を持って対応する。

この違いは、いざというときに次のように表れます:

悲観主義:「どうすることもできない」と諦める。
楽観主義:忍耐強く「何をすべきか」を考え、行動する。
アドラー心理学では、この差を「失敗への捉え方」として捉え、教育で身につけるべき重要な資質としています。

ABC理論を使ったワーク

今回は、臨床心理学者アルバート・エリスの「ABC理論」を応用したABCDEワークを行いました。

A(出来事):不愉快な出来事
B(思考):その出来事に対する捉え方
C(結果):感情や行動
「出来事(A)が感情(C)を引き起こす」のではなく、「思考(B)が感情を左右する」という考え方です。非合理的な思い込みを修正することで、ネガティブな感情を改善できます。
DはBに対する反論にあたり、Eは勇気づけとしました。Bの思い込みをひっくり返すために、リフレーミングの技法を用いました。Eはもし今度同じことが起こったらどう対応するか、視点を未来に向けて行動を予測します。

グループワークでは、参加者同士で話し合う中で、自分の思い込みや心のクセに気づく体験が多くありました。他者と対話することで、新たな発見が生まれるのがグループワークの醍醐味です。

今月のまとめ

  1. 心の中のつぶやきは、子供時代からの思考パターンが影響している。これはアドラー心理学のライフスタイルに該当するものです。
  2. ABCDEワークを続けることで、自分の思い込みや感情パターンに気づき、必要に応じて変えられる。
  3. 目指すのは「時々」ではなく、「基本的に」未来志向・楽観主義でいること!

次回のご案内

次回、第142回アドラー心理学研究会Plusは、2月15日(土・ZOOM)、19日(日)札幌市民交流プラザ控室403で開催します。
いつもと曜日が入れ替わっているので、お申込みの際はご注意くださいね。
テーマは「アドラー心理学とレジリエンスで、しなやかな心作り②『チャレンジする勇気を作る自己効力感』」で、自尊心を底上げする自己効力感と自己勇気づけの実践方法を学びます。行動できない、つい先延ばしをしてしまう方にも参考になる内容です。ぜひ、ご一緒しましょう!
⇒ 詳細とお申込みは、こちらから。


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