smaccでは、ヨーガの中でも伝統的なヨーガを医療現場で応用されるように開発されたヨーガ・セラピーと、マインドフルネスに基づいたヨーガを行っています。⇒マインドフルネスについて詳しくはこちら。
ヨーガ・セラピーの歴史
インド最大の商都ムンバイから128キロほど離れたロナワラの郊外に、カイヴァルヤダーマ・ヨーガ研究所ができたのは1920年のことです。以来90年近くにわたり、ヨーガ・セラピーの研究が進められてきました。インドではヨーガ・セラピーの講義を受け、しかるべき成績を収めた者をヨーガ療法士として政府が認定しています。インド国内ではヨーガ・セラピーを指導している病院も数多くあります。
日本では、日本ヨーガニケタン代表の木村慧心先生が、1987年よりスワミ・ヴィヴェーカナンダ研究財団と提携して、ヨーガインストラクター養成講座、ヨーガセラピスト(療法士)養成講座、その他各種研修、勉強会を通じ、ヨーガ療法の普及、啓蒙に尽力されています。2003年には日本ヨーガ療法学会が設立され、学会認定ヨーガ療法士制度も発足しました。現在、日本には3000人あまりのヨーガ療法士が、医療機関や老人健康施設など、広く活躍をしています。
参考リンク
日本ヨーガニケタン
一般社団法人 日本ヨーガ療法学会
ヨーガの健康観
ヨーガでは、身体をパーツとして診る西洋医学とは違い、ホリスティックに身体から心、魂までを捉える「人間五蔵説」という人間構造論で病気や健康を捉えています。
五蔵説とは、上記のように人間が5つの鞘(さや)に覆われていると考えます。 外側から順番に説明します。
- 食物鞘:私たちが実際に「肉体」と呼んでいる目に見える部分。食べ物によってつくられる。
- 生気鞘:生気(プラーナ)が呼吸を司る部分。呼吸を通して、心と身体を繋ぐ役目をし、「元気」「やる気」などのエネルギーを左右する。
- 意思鞘:感情や知覚、記憶など心の機能を担う部分。五感を通して感じる感覚もここに属する。
- 理知鞘:判断能力、認知能力を司る。過去の経験や記憶のから生み出される感情や判断、決定を下す役割をする。
- 歓喜鞘:自分の本質、スピリチュアルや魂と呼ばれる次元。完全に調和していて、ストレスからの影響を受けない。
そして、歓喜鞘の中心にある人が座っているイラスト部分が、「アートマン」と呼ばれる純粋意識で、「真実の自分、真我、魂」と呼ばれています。
これらの鞘は、単独で機能しているのではなく、それぞれが繋がっていて影響を受け合いながらバランスを保とうとしています。
ヨーガでは、この鞘のどれかがどの程度乱れるかで、病気を引き起こす引き金になると考えます。 例えば、仕事でものすごく忙しく、食べるものもままならず、コンビニ弁当ばかり食べる日が続き、寝る時間もないほど忙しい日を過ごしているとします。そうすると、食物鞘が乱れ、疲れが出てくるので生気鞘も乱れてきます。疲れているのでボーっとして仕事でミスをすることも多くなるかもしれません。知覚が鈍り、イライラするので、意思鞘も乱れます。ミスが続くと「こんなに一生懸命やっているのに、なぜ自分だけが責められなきゃいけないんだ」とか「いつも自分はこうなんだ」・・・と決めつけや認知能力に偏りが出て、理知鞘も乱れます。
この状態がひどくなると、体調を崩したり、抑うつ状態を招くなどの弊害が出てきます。ヨーガでは、今、どの鞘が乱れていて、どのように修復すると全体のバランスが良くなるのかを考えます。 呼吸法やヨーガのポーズ(アーサナ)をすることで、意識が外界から内側に向けられ、集中力が保たれます。そうすることで、徐々に各鞘の乱れが整い、健康な状態に近づきます。このように、ホリスティック(全体的)に捉えて、肉体から心の深い部分まで、癒し活気づけます。本来の自分の姿を取り戻し、健やかにのびのびとした健康な状態を保つよう、サポートします。