2021年3月20日(土)と21日(日・ZOOM)に、第95回アドラー心理学研究会を開催しました。
今回から、アドラー心理学とマインドフルネスを融合した内容に変わりました。
会場は、これまで7年間開催してきた生涯学習センター「ちえりあ」が改修工事のため1年間休館となるため、札幌市民交流プラザへ移動しての開催となりました。今年は通年で、交流プラザにて開催します。会場はこんな感じ。距離をとりつつ、スクール形式です。
今回のテーマは「マインドフルネスと共同体感覚」です。
マインドフルネスのとらえ方は広く深いと感じている方が多いのですが、最初にお話したのは、
マインドフルネス ≠ 瞑想 だということです。
どちらかというと、
マインドフルネス ≧ 瞑想 というイメージのほうが近いでしょう。
瞑想は、マインドフルネスを継続するための、ひとつの技法です。
実践方法として、代表的なものは確かに瞑想ですが、それ以前に大切なことは、自らの心の状態を知ることです。
マインドフルネスは、30年以上にわたり、医学的に様々な検証を経て、現在は医療現場でも広く活用されている心理療法です。とくに認知行動療法の分野では、この手法が近年大きく注目されています。継続して実習することで、自律神経の働きが整えられ、ホルモンなどの内分泌系が安定し、不安症やうつなどの心の病に効果があることが、科学的に証明されています。
さて、共同体感覚はアドラー心理学の中心的思想です。共同体に対する所属感、共感、信頼感、貢献感を総称した感覚や感情のことを共同体感覚と言います。精神的な健康のバロメーターとされ、「幸福」には欠かせない要素です。仲間と横の関係を築くことで実現する「つながり感覚」とも言えるでしょう。
共同体感覚には、下記の5つを含みます。
- 良いところもイマイチなところも含め、今の自分にOKと言える「自己受容」
- 私は共同体の一員だという「所属感・安心感」
- 共同体の仲間は、信じられるという「信頼感」
- 仲間同士が協力しあって生きているという「相互協力」
- 私は共同体のために役に立ち、価値ある存在だという「貢献感」
ただし、自己犠牲を伴わない貢献感であることが大事!
マインドフルネスも共同体感覚も、「ほんらいの自分」に気付くことで、自己受容を実践することを目標としています。マインドフルネスでは、ライフスタイルと同義の「認知」に深く触れていきます。
今回のまとめです。アドラー心理学とマインドフルネスの共通点は、
- 私たちはそれぞれの認知を通して、世界(社会、家族、会社)を見ている。
- 過去や未来にとらわれず、「今、ここ」に生きる。
- 「今の、私に、できること」に取り組む勇気を育む。
アドラー心理学もマインドフルネスも、仲間とゆっくり学ぶのが良いでしょう。
ぜひ、ご参加ください。
次回のテーマは『「勇気づけ」と「セルフ・コンパッション(自分への思いやり)」』です。
開催日は、4月17日(土・札幌市民交流プラザ)、4月18日(日・ZOOM)です。
⇒ 詳細とお申込みは、こちらから。