「見ている自分」に気づくと、心にスペースが生まれる – メタ認知の力で「落ち込んだ私」と距離をとってみる –

こんにちは、smaccのセラピスト、佐高葵月代です。アドラー心理学研究会Plusでは8月から3回のシリーズで、「アドラー心理学×メタ認知×マインドフルネス」を学んでいます。今月はその2回目なので、シリーズに関連した記事を書いてみました。
⇒ 前回のアドラー心理学研究会Plusの内容はこちら(メタ認知についても詳しく説明しています)

落ち込むことは、誰にでもある

仕事や人間関係の中で、「ああ、また失敗してしまった」「私ってダメだな」と感じる瞬間は誰にでもあります。
そんなとき、私たちの心はぎゅっと縮こまり、動きが止まってしまいがちです。

でも、感情はただの“敵”ではありません。アドラー心理学の視点で見ると、感情や思考は「目的」をもって生まれるもの。たとえば「落ち込み」には、「これからどう行動するかを考えるきっかけになる」という目的が隠れているのです。

仕事でミスをして落ち込むとき、その気持ちは「同じミスを繰り返したくない」という願いの表れかもしれません。また、友人との会話で後悔して落ち込むなら、「もっと正直に気持ちを伝えたい」という思いのサインでもあるでしょう。

メタ認知で「見ている自分」に気づく

ここで役立つのが「メタ認知」という考え方です。
自分の心の動きを、まるで一歩引いたところから眺めるように気づいてみる。

「私はダメだ」と決めつけるのではなく、
「私は今、“ダメだと感じている”んだな」と言い換えてみるのです。

すると、不思議なことに感情との間にわずかな距離ができ、少し冷静さを取り戻せることがあります。
まるで窓の外から、自分を静かに見守っているような感覚です。

感情と距離をとると、心に余白が生まれる

この「見ている自分」に気づくことができると、心の中に小さな余白が生まれます。
余白があると、「落ち込む=悪いこと」ではなく、「落ち込み=自分の本音を見つめるサイン」だと受け止めやすくなります。

余白があるからこそ、
・気持ちを言葉にできる
・新しい選択肢を思い描ける
・勇気をもって次の行動に踏み出せる

そんな一歩につながっていくのです。

落ち込みは心の成長の入り口

「私はダメだ」と思った瞬間に立ち止まって、ほんの少し距離をとって眺めてみる。
その小さな習慣が、心にスペースを生み、前に進む力を育ててくれます。

落ち込みは決して無駄ではなく、心の成長の入り口。
「見ている自分」に気づくことができれば、その落ち込みさえもあなたの味方になってくれるでしょう。

メタ認知について、noteの記事にも書いています。よろしければぜひ、参考にしてくださいね。


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