第128回 アドラー心理学とマインドフルネスで「私らしさを活かして、全体性を生きる」

アドラー心理学研究会Plus代表の佐高葵月代です。12月16日(土)と17日(日・ZOOM)、第128回アドラー心理学研究会を開催しました。今月のテーマは「全体性を生きる今…今年を振り返って」です。今回は、いつもの会場(札幌市民交流プラザ)が予約できなかったため、久々の古巣である札幌市生涯学習センターちえりあ での開催となりました。コロナ禍の前までは、ずっとこちらの会場をお借りしていたので、実に3年ぶり。懐かしかったなぁ。

今年の年間テーマは、「私らしさを活かして、全体性を生きる」でした。アドラー心理学の「全体論」と全体性(ホールネス)を意識して学んできた1年。

ホールネスとは、

  •  欠けたもののない満ち足りた状態で、「全体性」や「全体感」を意味する。
  •  ポジティブもネガティブも含めた広範囲の心理状態を受け入れる能力を身につけて、人生の出来事に効果的に対応できる状態のこと。レジリエンスと勇気づけそのものですね。

ホールネスを持つ人は、ネガティブな思考や感情を活かして使おうとするので、思考や感情の抑え込みをするという無駄な努力に労力を費やしません。アドラー心理学でいうところの、劣等感をエネルギーにして、建設的な行動や目標に向かうことです。

実際に私たちは常に気分が最高なわけではなく、ポジティブ感情とネガティブ感情の間を行き来してバランスをとり、自分のコンフォートゾーンを保っています。良いことも悪いこともある程度受け入れながら、今いる状況の中で自分のベストを尽くそうとする状態を、「20%のネガティブ優位性」と言います。ホールネスを持つ人は、80%のポジティビティを感じながら、残りの20%のネガティビティを有益に使おうとします。
つまりネガティブな要素は完全になくす必要はないということです。

「私らしさを活かして、全体性を生きる」ということは、明るい面もダークサイドも含めての「私」をひっくるめて、自己受容していくことではないでしょうか。不完全であっても、ありのままの自分を受け入れていくということは、時として苦しく感じることもあるかもしれません。

自分らしくあることとは、自己勇気づけの3つの態度の「尊敬」にあたります。人と比較ばかりしない、他者からの評価ばかりあてにしない、自分らしくあること というのが、自己受容の大切な要素でしたね。

自分の思考や感情に気づき、必要であれば立ち止まってリフレーミングをしてみるのもいいでしょう。「どういう気分になりたいか」よりも「今の私には何がうまく働くか」を考えてみるのもいいでしょう。

今年も毎回、たくさんの気づきがありました。アドラー心理学研究会Plusは、アドラー心理学の理論や思想を柔軟に取り入れるために、様々な角度から応用していきます。そのひとつがマインドフルネスとの共通性を意識したものです。来年も皆さんと一緒に学べるのを楽しみにしています。

どうぞ素敵なクリスマスと、穏やかな年末年始をお過ごしください。

次回第129回の開催は1月20日(土・札幌市民交流プラザ)、1月21日(日・ZOOM)です。
テーマは「勇気とレジリエンス」です。基本に立ち返って、勇気づけできる心の土台作りに触れていきましょう。
⇒ 詳細とお申込みは、こちらから。


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