アドラー心理学研究会代表の佐高 葵月代です。9月24日、第41回勉強会が無事に終了しました。私を含め39名参加、9名の初参加の方をお迎えしました。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。
今回のテーマは「思い込みに気づく– ベーシックミステイクスとは–」でした。
アドラーは、『人生の意味の心理学』で、「人間は意味の領域を生きている。われわれは状況をそれ自体として経験することはない。いつも人間にとって意味があるものだけを経験するのである。人間は、意味を離れて生きることはできない。われわれは現実を、常にわれわれがそれにあたえる意味を通じて経験するのである。」と述べています。
アドラー心理学の認知論では、「人間は、自分の主観的な意味づけを通してのみ、物事を把握する」といいます。それは認知された主観的世界そのものを言うのでなくて、認知のしかたの構造を言っているのです。その人特有の意味づけのクセ、ものの見かたの偏り具合、自己や自分を取り巻く世界(社会)の解釈の枠組はライフスタイルと呼ばれます。
これらのその人特有のものの見方や考え方、価値観を「私的論理」(プライベート・ロジック)と呼んでいます。それに対して自分自身と他者にとって、健全で建設的な現実に即した考え方を、「コモンセンス」(共通感覚)と呼んでいます。
この私的論理のゆがみがひどくなると、ベーシックミステイクスが起こると言われています。
私たちは客観的な外界の出来事に反応しているのではなく、ライフスタイルを通して見た、主観的な意味付けに反応しているのです。
グループワークでは、「ライオンの特徴やイメージは?」を個人で書き出してみて、グループでシェアしました。
ひとつしか思い浮かばない方もいれば、7つや8つ書き出した方もいらっしゃいます。
「力強い象徴」から「歯磨きのブランド」まで、それぞれです。10グループある中で、山ほど出てくるんですね。
このように、ライオンひとつとっても、様々な要素をひとそれぞれ思うわけで、それが出来事になったら、さらに複雑になりますね。
認知の歪み(ベイシック・ミステイクス)は、10項目あります。
- 全か無か、白か黒か思考
- 過度の一般化
- 心のフィルター(選択的抽出・心の色メガネ)
- マイナス思考
- レッテル貼り
- 拡大解釈と過小評価
- 感情的決めつけ
- すべき思考
- レッテル貼り、独断的推論(心の読みすぎ)
- 個人化、自己関連づけ、理論の飛躍
これらについて、解説を加えました。なお、認知のゆがみについては、デビッド・D・バーンズ 著『〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法 』(星和書店)を参考とさせていただいています。認知のゆがみについて、大変詳しく書かれている、認知療法の入門書としてお勧めです。
今後の予定は以下の通りです。
第42回 10月15日(土) 大研修室(2F)
第43回 11月19日(土) 研修室5+6(3F)
第44回 12月17日(土) 研修室5+6(3F)
下記のバナーからリンクしたページから、お申込みいただけます。
来月もみなさんにお会いできるのを、楽しみにしています!
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