【2月】不便さから学ぶマインドフルネス

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smacc代表の佐高 葵月代です。2月に入り、寒さもピークとなりました。今年の札幌は、恒例のさっぽろ雪まつりのほか、冬季アジア大会も開催されるとあって、賑わいそうですね。

さて、私はそれほど自慢できることはないのですが、札幌に住んで10年、雪道で転んだのはたった1回!というのだけは自慢でした。そんな私が、1月24日にヨガ教室指導に行く途中にツルツル路面で転倒!右肘を強打しました。その時は痛みよりも、「雪道で転ばないという記録」がストップしたことの方がショックだったのですが(苦笑)、3時間ほどして違和感が出てきて、受診したところ、右肘を骨折していました。

翌日、専門医をの診断を受け、すぐに入院、2日後に手術となりました。まさかのケガで、右手がまったく使えないという状況になって、様々なことに気づかされました。

転んでもただでは起きない私!ということで、今回はまさに今、ケガから学んでいるマインドフルネスについてまとめてみました。

  1. .右手の有り難み
    使えなくなって、あらためて右手、右腕で作業することの多さに気づきました。ふだん何気なくしている動作を素早くできていたのは、右手のおかげでした。今は右手に感謝しつつ、すべての動作がスローな状態を体感しています。
  2. 左手の可能性
    いつも右手のナイスフォローをしていた左手ですが、「私もできるよ!」とおぼつかないながらも、がんばっています。最初はやり辛いけど、左手でも工夫すると、できることがたくさんあります。利き手ではない手を使うのは、動作や思考を意識化し、今ここにとどめるマインドフルネスのトレーニングになります。
  3. 一度に一つのことを、丁寧に行う
    私たちはほとんどの動作を自動的に、無自覚的に行っていると言われています。しかし、利き手が不自由だとそうはいきませんね。同時に2つのカップを運んだり、右手はマウス、左手はキーボードなどマルチな動作ができません。両手が使えると効率や生産性は良いのですが、動作を丁寧に行ってはいないのですね。「自分が今何をしているか」にフォーカスし、ひとつひとつ丁寧に行うことも、マインドフルネスなんです。
  4. 人の優しさを感じる
    毎日通てきてくれる夫や、忙しいなか見舞いに駆けつけてくれた友人の温かい思いやり、献身的な看護師さんの優しさをヒシヒシと感じます。自分だけで生きているのではない、いろんな人やもの、ことに支えられているのだと思うと、すべてにおいて、感謝の気持ちになれます。
  5. 痛みや感情との向き合い方
    ケガや病気の時は、起こってしまったことを後悔したり、未来のことを不安に思い、「痛み」から「苦しみのストーリー」を作りがちです。このスパイラルにはまってしまうと、自己否定に繋がったり、自尊心を損なってしまいます。自分の感情に注意深く気づき、そっと手放す練習の機会をいただいていると思いながら、回復の時間を過ごしています。

マインドフルネスのトレーニングでは、利き手ではない手を使い、日常の動作をしてみるという方法があります。歯磨きをしたり、食事をしたり。しかし、利き手が使える状態で、逆の手をつかうことと、ケガをして有無を言わさず逆の手を使わざるを得ないのとでは、感覚がかなり違うことに気づきます。キツいトレーニングではありますが、友人が「滅多にない機会だから」と言ってくれて、気持ちがほどけました。

災い転じて福となる、と言いますが、まさにマインドフルネスを身をもって体感しています。幸い、ケガは順調に回復しており、2月半ばからは仕事にも復帰できそうです。

雪道を侮るなかれ。歩く時も一歩一歩、丁寧に歩いて、春を迎えられるよう心掛けたいものですね。

このたびのケガでは、多くの皆様にご心配、ご迷惑をおかけしました。
仕事やセラピー、カウンセリングもお待たせしてしまい、申し訳ありません。
そしてお見舞いのメッセージ、勇気づけの力もたくさんいただきました。
心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。


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