第142回アドラー心理学とレジリエンスで、しなやかな心作り② 「チャレンジする勇気を作る自己効力感」

こんにちは!アドラー心理学研究会Plus代表の佐高葵月代です。2月15日(土、オンライン)と16日(日)に、第142回アドラー心理学研究会Plusを開催しました。今回のテーマは、「アドラー心理学とレジリエンスで、しなやかな心作り②『チャレンジする勇気を作る自己効力感』」です。
レジリエンスについての詳しい説明は、⇒ 1月のブログをお読みください。

自己効力感とは?

「自己効力感(Self-efficacy)」は、心理学者バンデューラが提唱した概念で、「自分は特定の課題や困難を乗り越えられる」という感覚を指します。これは、アドラー心理学の勇気(困難を克服する活力)と同じ感覚であり、レジリエンス(逆境を乗り越える力)を高める重要な要素です。自己効力感は、「自尊心」や「自己肯定感」とも深く関わっていますが、それぞれの違いを理解することが重要です。

• 自尊心(Self-esteem)
「自分には価値がある」「自分は尊重されるべき存在だ」と感じること。自己評価の側面が強く、「成功したら高まり、失敗すると下がる」ことがある。アドラーは「自分に価値があると思える時、人は勇気を持てる」と言葉を残しています。

• 自己肯定感(Self-acceptance)
「ありのままの自分を受け入れる」感覚。成功や失敗にかかわらず、「自分は自分でよい」と思える安定した感覚。アドラー心理学の「不完全である勇気」を持つことが大事。

• 自己効力感(Self-efficacy)
「自分にはできる力がある」「この課題を乗り越えられる」と思う感覚。成功体験や挑戦によって高まり、レジリエンスを強化する。アドラー心理学の心理面の目標のひとつ「私には能力がある」と思えることに通じます。

自己効力感が高いと、失敗しても「もう一度やればできるかもしれない」と思えるため、自己肯定感が下がりにくくなります。逆に、自己肯定感が低いと、失敗を「自分の価値がないからだ」と受け止めやすくなり、挑戦する意欲が失われることがあります。つまり、自己効力感を高めることは、自己肯定感を安定させ、レジリエンスを育むために重要な鍵となります。自己肯定感と自己効力感は、どちらも自尊心を支える重要な感覚なのです。

下記は、アドラー心理学で自己勇気づけをするときに必要な3つの態度です。自己信頼には自己効力感が、自己共感には自己肯定感が関わっています。それぞれの違い、わかりますか?

自己効力感を増すための行動

ささやかな習慣ですが、続けることで気持ちや行動に変化が出ます!

  1. 小さな成功体験を積み重ねる
  2. 挑戦と成長を意識する
  3. 自分を勇気づけるセルフトークをする
  4. 遠い過去の自分や、他者と比較するのをやめる
  5. 感謝と自己承認の習慣を持つ

グループワークでは、先延ばしにしたり、棚上げにしていたり、できないと思っていたことで、行動することで、変化があったエピソードをシェアしました。とても興味深く、自分の参考になるお話もたくさん出てきました。行動しようと思ったきっかけをしっかり覚えておくといいですよ!小さな変化と成長に目を向けてみましょう。

今月のまとめ

  • 自己効力感を高めることは、自己肯定感を安定させ、レジリエンスを強化するために不可欠。
  • 小さな成功を積み重ね、挑戦を楽しみ、ポジティブなセルフトークを意識することが重要!
  • 「自分にはできる」「失敗しても成長できる」という感覚を育てながら、日々の生活の中で少しずつ自己肯定感を高めていきましょう。

次回のご案内

次回、第143回アドラー心理学研究会Plusは、3月22日(土)札幌市民交流プラザ控室405、23日(日)ZOOMで開催します。
テーマは「アドラー心理学とレジリエンスで、しなやかな心作り③『繋がりが育む安定した心と共同体感覚』」です。なぜ「仲間」は必要なのかという、進化の過程で根付いた私たちの脳とのかかわりについてもお話しします。ぜひ、ご一緒しましょう!
⇒ 詳細とお申込みは、こちらから。


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