こんにちは!アドラー心理学研究会Plus代表の佐高葵月代です。10月18日(土)と19日(日・オンライン)に、第150回アドラー心理学研究会Plusを開催しました。3回連続の新シリーズ「アドラー心理学 × メタ認知 × マインドフルネス~“自分を観る力”で、視野を広げて心をひらく~」の3回目のテーマは、「『今ここ』の自分を選びなおす——勇気づけと自己決定性」です。
アドラー心理学の自己決定性とメタ認知
アドラー心理学は「人は環境や過去に支配されるのではなく、今・ここで自分の行動を選んでいる」と考えます。これを「自己決定性」と言います。たとえば「怒鳴り返した」のは、その人がその瞬間に「怒鳴る」という行動を選んだから。「言い返さなかった」のもまた、その人が「黙る」という行動を選んだからです。
一方、メタ認知は「自分の考えや感情を一歩引いて観る力」。思考や感情の自動反応に気づき、「今、私はこう感じているな」「こう考えているな」と客観的にとらえる視点です。この2つを重ねると、次のような循環が見えてきます。
気づく(今の自分を観る) → 選ぶ(自分の目的をもって行動を決める) →勇気づける(行動を通じて自分と他者を元気づける)
つまり、「観る力」が「選ぶ力」を支え、選んだ行動が「勇気」を育てるのです。
「観て・気づいて・選びなおす」流れを習慣化する
自分を責めるクセや、他者の評価を過剰に気にするクセは、放っておくと心の自動操縦になります。
そこで役立つのが、“観る”習慣と“選びなおす”小さな勇気です。
3ステップの流れ
1. 観る …… 「今、私はどう感じている?」と問いかける
2. 気づく …… 「私は○○と考えている」「○○を恐れている」と言葉にして認識
3. 選びなおす …… 「もし今、もう一度選べるとしたら?」と未来の自分の視点で選択
このプロセスを日常に取り入れると、思考と感情の渦の中でも「今ここ」に戻る力が強まります。大切なのは、“正しい選択”を探すことではなく、“意識的に選び直すこと”自体を練習することです。
今月は、「これからの自分をどう選び直すか」というテーマでワークを行いました。
過去のことを掘り起こすのではなく、「これから」に視点を向けて、「やりたかったけど棚上げになっていたこと」や「ちょっとの勇気で実行できること」など、さまざまな意見(決意)が聞かれました。
たとえば、「朝、時間ギリギリではなく、早起きして支度を少しゆったり始める」とか「職場で、つい反応してしまう場面で、3秒だけ呼吸を置く」など、日常的なことでもOK。
「正しい選択」を探すより、“今の自分にやさしい選択”を試してみましょう。小さな変化でも、それが“未来の自分”を育てる勇気の種になるはずです!
今月のまとめ
- 気づく —— 自分の思考や感情を観察し、「今ここ」に戻る。
- 選ぶ —— 状況よりも、自分の目的をもとに行動を決める。
- 勇気づける —— 小さな一歩が、未来の自分と他者を元気づける。
- 続ける —— “完璧”ではなく、“今日も選びなおせた”を積み重ねる。
次回のご案内
次回、第151回アドラー心理学研究会Plusは、11月15日(土)札幌市民交流プラザ 控室403、16日(日)ZOOMで開催します。
テーマは、「しなやかな勇気──気づき・選択・つながりの再構築」~アドラー心理学の勇気づけを軸に、レジリエンスとメタ認知の統合を語る~です。
ぜひご参加ください❣️