『アドラー心理学が教える 新しい自分の創めかた』は、私のアドラー心理学の師匠 岩井俊憲先生の新刊です。
岩井先生のアドラーと言えば、すぐに「勇気づけ」!と浮かぶのですが、この本は、勇気づけだけにとどまりません。いくつかのパートに分かれて構成されており、大半はOLと岩井先生との対話形式になっています。対話形式といってもインタビューのようなものではなく、岩井先生のカウンセリングを受けた女性が、変わっていく決意を新たにしたというところから始まり、先生とともにカウンセリングのプロセスを振り返りながら、理論と実践の理解を深めていくというものです。
すでにカウンセリングが終わり、前向きな状態であるところが会話のスタートになっていること、女性の悩みが対人関係や自分との向き合い方、親との確執など、多くの方が共感できる非常に身近に感じる内容となっています。お互いの会話のボリュームが、ほどよいバランスに感じました。
そして後半は、「自分起こし」として自分を前向きに変えていく(創造する)ためのメソッドの紹介です。原因論からなかなか抜け出せず、目的論にシフトできない方には強力な動機付けをしてくれると感じます。私が個人的には、課題の捉え方の転換ともいえる内容があり、実際にそれをもとに取り組んだところ、余計な感情に振り回されずクリアできました。
本書の合間には、アドラーの理論やキーワードの解説やレクチャー、コラムもあり、図解も多く、初めてアドラーに触れる方でも楽しみながら読み進められる構成です。
この本は、読み終わった後で行動に結びつくような内容になっています。「○○になったら、☆☆できるんだけどなぁ」と、ある意味、目標を棚上げにしている方は、棚から下ろして実際に取り組む意欲が湧くかもしれません。先生の「具体的」「丁寧」「勇気づけ」が溢れる1冊です。さぁ、今ここから始めよう!という前向きな気持ちで本を閉じました。
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