「最近、勇気づけが辛く感じるのです」というお話を、たまたま続けて聞く機会がありました。
私もアドラー心理学を学び、実践する中でも、何度もそのようなことがあったので、その気持ちはよくわかります。
以下、私なりの考察です。
勇気づけが辛く感じる時は、2つ原因があるように思います。
1.自分の勇気が足りていない時
アドラー心理学研究会の勉強会でも、「他者への勇気づけよりも、まずは自分自身の勇気づけが大切」だと、お伝えてしています。
自分の勇気が枯渇してしまうと、他者に対して与える分の勇気が出てこないのです。お金のない預金通帳から引き出して、人に貸せないのと同じです。
なので、まずは自分を勇気で満たす努力が必要だと思います!
自分への勇気づけには、他者に対するのと同様に、信頼、尊敬、共感の態度が必要です。
中でも共感は、「自分の思っていること、言葉にしていること、行動が一致しているか」という 自己共感のことです。著しくかけ離れてしまうと、神経症になってしまいます。
2.実は相手が勇気づけを求めていない
私の師匠の岩井俊憲先生は、「需要なきところに 供給なし」とよくおっしゃいます。つまり、勇気づけを求めていない人に対して、いくら勇気の押し売りをしても、相手には伝わらないのです。結果、がんばって勇気づけをしているほうは「通じない」とがっかりしてしまい、勇気づけをあきらめてしまったりします。
でも、私はこんな時こそ勇気づけマインドの成長の時だと思うのです。
自分の関心が、本当に相手の関心に向いているか、確認することも大事ですね。
勇気づけは、挨拶のように「あきらめず、人よりも先に、人よりも多く」を心がけると良いのですが、気負うと疲れます。
でも、やらないと身につかないのです。
「ほどほど」を長く続けることで、自分らしい勇気づけのスタイルができるように思います。
他者に対しての勇気づけは、「3ないポイント」をお勧めします。
・感謝される期待を求めない
・毎回うまくいくとは限らない
・相手に対して良い人になろうとしない
相手に伝わらない経験を通して、初めて勇気づけのむずかしさや価値を感じるのだと思います。私も、いまだに悩みながら進んでいます。
勇気づけは自転車に乗れたり、泳げるようになるのと同じようなスキルだと思います。
あきらめずに長~く続けていきたいですね。
アドラー心理学をより深く学べる場として、アドラー心理学研究会を開催しています。勇気づけを日常で続けるコツなど、ワークを通して学びます。ぜひ、勉強会に足をお運びください。
【写真:友人宅の美しいバラ。毎年可憐な花を咲かせてくれます】
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