アドラー心理学研究会代表の佐高葵月代です。
4月8日(日)、第5回目の旭川での勉強会が無事に終了しました。4月になって春らしくなると思いきや、一時的ではありましたが吹雪になって驚きました。幸い、往復のJRや参加者の足には影響がなく、ほっとしました。
今回は20名参加、初参加2名の方にお越しいただきました。札幌のメンバーもひとり応援に来てくれました。みなさん、雪の中お越しいただき、ありがとうございました。
今回のテーマは「アドラー心理学の劣等感と優越感」です。勇気づけをするにあたって、劣等感のとらえ方や、劣等コンプレックスについて知ることが役に立ちます。
いわゆる「劣等感」とは、主観的に自分の何らかの属性を劣等であると感じることを言います。きわめて主観的な感覚なので、事実とは異なるかもしれませんが、本人にとっては大問題の「劣等」であることも多いのです。例えば、モデルみたいな体形なのに「私ってデブ」と劣等を感じたり、そのように思い込むなどです。
劣等感はネガティブ感情の代表のようなもので、辛いと感じる人がほとんどでしょう。それに対処するか、なくそうと努力することを、「劣等感の補償」といいます。アドラー心理学は、かつては劣等感の心理学と言われましたが、現代アドラー心理学では、劣等感の理論や概念はそれほど注目していません。むしろ、これらの概念は目標追求性の概念に吸収されており、劣等感は「目標追求している時の感じ」ぐらいの捉え方と考えられています。
一生懸命走ればかく汗のようなもので、むしろ努力の証、成長へ向かう時に伴う感情とも言えるでしょう。そのため、劣等感は悪いものではありません。
ただし、ライフ・タスク(人生の課題)への対処を避ける口実として劣等感を使う「劣等コンプレックス」は良くないと捉えます。自分の劣等感を誇張して、必要以上に弱く、欠陥がひどいかのように振る舞い、ライフ・タスクへの建設的な取り組みを避けようとする状態は、勇気をくじきます。
今回は、自分が思い込んでいる劣等感を話し合ったり、劣等感を乗り越えるためのグループワークを行いました。
劣等感を克服するポイントとして、
①自分の思い込みに気づく。
②失敗を恐れずに一歩踏み出す。
③不完全である勇気を持つ。
④行動する喜びを味わう。
などを挙げました。私たちは理想や目標に向かっているがために、現在の自分との葛藤も生まれます。あえて「不完全であることを認める」ことで、等身大の自分から始める現在時点を特定できます。成功か失敗かの二極の選択にこだわらず、前に進む勇気を持つことも大事ですね。
今回のワークでは、多くの方が自分の思い込みにより行動を制限していたり、こだわりから劣等感が強くなっていたことに気づいたようです。
私もかつては劣等感を人に知られるのが恥ずかしく、ひた隠しにしていましたが、劣等感は誰でも感じる感情であり、悪いものではないこと、不完全な自分でも良いということを認めることにより、自尊心が少しずつ高まりました。
今回の勉強会では、自分に対する勇気づけの3つの態度「信頼」、「尊敬」、「共感」をいま一度意識して、前に進もうという勇気をいただきました。みなさん、ありがとうございました。
次回以降の旭川のスケジュールです。
第6回 6月24日(日)
第7回 8月26日(日)
会場は、いずれも旭川市市民活動交流センターCoCoDe です。
詳細は、下記ページよりご確認のうえ、お早めにお申し込みください。
https://smacc.jp/asahikawa/
みなさんにお目にかかれるのを、楽しみにしております。
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