アドラー心理学研究会代表の佐高葵月代です。
11月16日(土)、アドラー心理学研究会(アドけん)第8回目の勉強会を開催しました。今回は総勢10名で勇気づけを学びました。
テーマは「肩の荷降ろしませんか? 課題分離を学ぶ」です。
課題分離とは、アドラー心理学の理論のひとつです。
身近な相手との関係において、自分が余計な責任を背負い込むことにより、神経をすり減らしたり、時間をロスしたり、あるいはお互いが依存関係になっていることはありませんか?
課題分離は、課題(問題)は誰のものかを理解し、自分の行動に責任を持ち、心の負担を減らすことを目的とします。
一見、大げさなことのように思われますが、日常生活の中で何かの問題が起こったとき、「私が何とかしてあげなければ」と感じて、頼まれもしないのに口出しや手助けをしたり、さらには、相手の代わりに問題を解決したことはないでしょうか?
家庭内では、お母さんの役割がそれぞれの家庭にあると思いますが、子供の行動が遅いと感じ(じれったいと感じ)、「貸して!お母さんがやるから!」と代わりにしてあげるシーンは多く見られると思います。
もちろん、すべてにおいてそれが悪いと言うものではありません。つい手助けをすることは、どこの家庭にもあることです。ただし、毎回「お母さんが手伝ってくれるから」という依存が積み重なることで、子供の成長を阻むケースもあるのです。
小さなお子さんならまだしも、成人してからも脈々とこの関係が続いている親子も、少なくはないと思います。そして親子関係のみならず、夫婦や職場においても、似たようなケースがたくさんあります。
今回の勉強会では、ケーススタディをしたほうがわかりやすいと思い、お互いの体験を振り返ってみました。最初はポツリポツリと体験が出てくるだけでしたが、後半はたくさんの体験があふれ出し、意見交換や質疑応答も活発に行われました。
私自身の体験でも、自分が意識せずに取っている行動が、思いのほか相手の成長を妨げていることに気付いた時、ショックと同時に目から鱗でした。課題を分離して、お互いに成長していく時には、相手にも「課題」について学んでもらう必要があります。
長らく習慣化している事柄を、あえて課題として提示するのは、ぎこちないかもしれません。ですが、いちどそれを認めて、お互いにそれに取り組む姿勢ができてくると、実に爽快な気分になれることは確かです。自分がどれほど余計な荷物(責任や相手の行動)を背負っていたか、清々しさの度合いで荷物の重さがわかります(笑)。
課題分離のポイントは、焦らないこと(ある程度の時間はかかります)、必ず相手と協同で行う(感情的にならずに話し合うことも大事)、諦めないこと(継続して取り組む姿勢を保つ)の3つです。
さて、次回は、「ライフ・タスク–人生の問題をシンプルに考えてみよう」と題して、複雑化しがちな人生の悩みを、アドラー心理学のライフ・タスク理論に当てはめて考えてみます。
アドラー自身も、「もう長い間、わたしは次のように確信している。それは、人生のすべての問題は、3つの主要な課題に分類できる。すなわち、交友の課題、仕事の課題、愛の課題である」と言っています。みなさんはいかがでしょうか。一緒に考えてみませんか?
以降のスケジュールは以下の通りです。
場所は、いずれも「ちえりあ」で行います。
第9回 12月21日(土) 13:30?16:30 研修室2
第10回 2014年1月18日(土) 13:30?16:30 研修室5
第11回 2月15日(土) 13:30?16:30 研修室4
心理学の知識がなくても、どなたでも参加できますので、下記の研究会のページをご覧いただき、お申し込みください。ご参加をお待ちしています!
https://smacc.jp/adler/
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