アドラー心理学研究会代表の佐高葵月代です。
9月28日(土)、アドラー心理学研究会(アドけん)第6回目の勉強会を開催しました。
今回は初参加の方を多数お迎えし、総勢10名で勇気づけを学びました。
テーマは「ライフ・スタイルを豊かにする自尊心」です。
毎回、勉強会ではアドラー心理学の独自の理論であるライフ・スタイルについて触れています。
私たちの性格を形作り、認知の元となるライフ・スタイルは、様々な要素から構成されていますが、中でも自尊心はたいへん大きな影響を与えます。
今回はこの自尊心にスポットを当ててみました。
自尊心とは、能力や評価を自分や他者がどのように判断したか/されたかの結果に基づく感情です。それが総合的な自分の評価につながり、人生において自分をどのように見ているかという認識(自己概念)となります。
例えば、子供のころから繰り返し親にダメ出しをされた場合、「自分は何をやってもダメな人間だ」とか「どうせやっても褒められないし、うまくいかないだろう」などという評価や感情を生みだし、結果的に行動が委縮されたり、ネガティブな人生観に傾きがちになります。
しかし、他者から何かのきっかけで高い評価を得たり、感謝されたり、自分なりに達成感を感じることで、低かった自尊心は回復の兆しを見せ、だんだん高くなる可能性も十分あります。
子供の頃に植え付けられた自尊心のレベルは、気づかないうちに、大人になっても繰り返されるパターンが多いものです。とくに、大勢の前で恥をかいた経験がある人は、人前で話すのが苦手になったり、あるいは逆に、怖れから人に対して横柄な態度を取ったりすることもあります。
また、弱い自分をカバーするために、薬物やアルコール中毒、買い物依存症など、一時の快楽に耽る症状を呈するのも、根底に自尊心の低さが原因の一つとなっています。
今回の勉強会では、あまりふだんじっくり考えることのない自尊心について、客観的な評価をした上で、グループでシェアをしました。過去の体験に基づく自尊心を傷つけられたこと、また、自尊心を向上させた出来事など、いろんな想いが出てきました。子供のころの体験が、数十年経った今も、考え方や感情に、何らかの影響を与えているということには驚きます。
自尊心は他者からの勇気づけだけではなく、自分が自らに勇気づけを繰り返していくだけでも、徐々に着実に変化していきます。過去の評価が、今も有効とは限りません。少しでも高く評価できる自分のヨイところに着目し、ささやかな進歩も認めていくという姿勢は、大人になっても、いえ、大人だからこそ必要なことではないでしょうか。
次回は、「知られざるライフ・スタイルの秘密」と題して、自分が気付かない性格や、隠れた特性を探ってみます。
以降のスケジュールは以下の通りです。
場所は、いずれも「ちえりあ」で行います。
第7回 10月12日(土) 13:30?16:30 研修室5
第8回 11月16日(土) 13:30?16:30 研修室5
第9回 12月21日(土) 13:30?16:30 研修室2
心理学の知識がなくても、どなたでも参加できますので、下記の研究会のページをご覧いただき、お申し込みください。ご参加をお待ちしています!
https://smacc.jp/adler/
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