日ごろ、マインドフルネスの指導や実践をしていて、瞑想の素晴らしさや心地よさを感じます。ですが、慣れない最初のころは、肩に力が入ったり、じっと座ることだけに意識が向いたりして、むしろ集中できないことがあります。この段階で「瞑想は無理!面倒!」とあきらめてしまう方が多く、あと一歩なのに…と残念な気持ちになることもあります。
ストレッチや筋トレなど、体の使い方は本やメディアでもたくさん紹介され、実践している方も多いでしょう。目的は健康維持や体力アップ、ダイエットなど、前向きなものだと思います。
心もそれと一緒だと考えてみませんか? 心も体と同様、不調になることもあれば、だらけることもあるのです。ただ、身体のように目に見えないので、「腹筋を鍛えて6パックに割れるのを目指す!」のように、目標を立てることが難しいだけです。
心の変調に早めに気付き、身体と同様に意識を向けて大きく伸びをしたり、力を抜いてあげること、それが瞑想です。
今月は、簡単にできる3分瞑想をしてみましょう。ほんの少しだけ、テレビを消したり、スマホをマナーモードにしたり、自分のための時間を作りましょう。
- 始める前に、簡単な準備運動をします。椅子に浅めに座って、足の裏をつける。息を吸って、万歳するように腕を耳の横まで上げる。
- おへその下のほうを意識して、大きく3回深呼吸。
- 両腕を上げた状態で、高いところのものを取るように、左腕だけあと5センチほど、真上に伸ばす。このとき、肘を伸ばすのではなく、腰の下のほうからグイッと伸ばすのがポイント。2呼吸数える。右側も同様に。
- 息を吐きながら、両腕を正面からゆっくりおろしてくる。
これで準備運動は完了です。 - 軽く目を閉じて、背筋と首筋を伸ばした状態で、瞑想を始めます。
この時点では、呼吸は特に意識しなくてOK。 - 今、頭の中で考えていることに注意を向ける。思考に気付いたら、言語化する。
例:「ランチに何食べようか考えていた」「メールがこないな」「明日の面接のこと」など。 - 次に、どんな感情がそこにあるか注意を向ける。
例:「ワクワクする」「苛立たしい」「不安だ」など。 - 最後に、身体感覚に注意を向ける。
例:「呼吸が安定している」「奥歯を噛みしめて、あごに力が入っている」「肩こりがひどい」など。 - 今度は呼吸に意識をシフトしていきます。自分の楽な呼吸で良いので、息が出入りしている感覚に注意を向ける。
鼻先でも、胸やお腹でもOK。大事なのは、「どこで呼吸が意識できるか」に注意を向けること。 - 5~10呼吸ほど、自分の呼吸を感じたら、今度は体全体に意識を向ける。頭からつま先まで、身体全体でひとつだという感覚を味わう。緊張や痛みに出会ったら、そこに集中しすぎず、いったん注意を向けてから「OK、後でね」と声をかけ、身体全体の感覚に戻り、呼吸を続ける。
- ご自分のペースで、もういいかな、というところでストップしてください。
- 最後に大きく息を吸って万歳し、息を吐きながら腕を戻してきます。
これで、3分瞑想は終了です。
最初は時間が余分にかかるかもしれませんが、慣れてくると6~8のステップはすぐに通過できます。
1日に、繰り返しやってみることで、思考のスピードを落として、自分の思考のクセに気付き、徐々に手放していくことができるようになります。
ランニングと一緒だと思ってください。最初は短距離をマイペースで、徐々に練習を重ねることで、走る楽しみがわかるようになるのと一緒です。瞑想も、練習と積み重ねで、その楽しみや効果を実感できるのです。
注意:
※高熱のある時、飲酒時の瞑想は厳禁です。
※重度のうつ病や統合失調症の方は、マインドフルネス瞑想について医師に相談してください。
※自己責任のもと実習するようにしてください。当方では責任を負いかねます。
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