第103回「アドラー心理学の課題分離」と「マインドフルネスでリフレーミング」

アドラー心理学研究会Plus代表の佐高葵月代です。2021年11月20日(土)と21日(日・ZOOM)、第103回アドラー心理学研究会を開催しました。
今回のアドラー心理学のテーマは課題分離です。年に1度はこのテーマで開催する人気の(?)キーワード。

アドラー心理学では、私たちが人生で取り組まなければならないことを、あえて悩みや問題という言い方をせず、「課題」と言います。課題について考えるとき、まずは変えられるものと変えられないものを見分けることが先決です。過去に起こってしまったことや、まだ来ない未来について思い悩むことは、変えられないことを悩んでいるので、解決の糸口が見つからないのです。そのため、現状の課題を誰かのせいにしたり、自分を憐れむことで、悩みたい自分を維持してしまうこともあります。

課題分離は、勇気づけの技法のひとつです。お互いが自立して成長するために、それぞれの課題に取り組むのです。そのため、勇気づけと横の関係を理解することが大前提。「課題分離は便利な考え方」と、それだけを使おうするのは、非常に危険なのです。

課題分離をする前に、何が自分の課題で、何が相手の課題かを見極める必要があります。見極めるポイントとして、「責任の所在は誰にあるか」を意識してみましょう。責任の所在とは、行為の結果が誰に降りかかるかということです。課題分離の最終的な目標は、共同の課題に取り組むことです。その前段階として、それぞれの課題にり組み、心の負担を減らして自立するのです。

例えば、子どもの服装について、親が子に次のように言ったとします。

親「あなた、何その恰好。ひどい有様ね!」
子「うるさいなぁ。これ今流行ってるんだから。バイトのお金で買ったんだからいいでしょ」
親「あなたのためを思って、言ってあげてるのよ。恥ずかしいじゃない」
子「え?別に恥ずかしくなんかないけど」
親「恥ずかしいわよ!」・・・

親子の間では、よくありがちな会話です。この場合、親が子どもの課題に口を出していることになります。恥ずかしいと思うのは親なのです。「親の顔が見てみたい」などと思われたくない親の課題を、「あなたの格好のせいで、私が恥ずかしい思いをする」と、子どもに押し付けている状態です。たとえ、子どもが他者から「あの人の服装、ちょっと変だね」と言われたとしても、それは子供の課題です。「これ、ちょっと変だったかな」と子どもが自分で納得して「今度は気を付けよう」と体験から学習するのです。

「あなたのためだから」は、実は「私のため」というケースが非常に多いものです。子どもの服装にイライラすることで、自分の感情と時間を浪費しています。相手の課題に口を出す弊害は、以下の5つです。

1. 相手が自信を失う
2. 相手が依存的になり、責任を押し付けようとする
3. 反抗的になる
4. 失敗を人のせいにするようになる
5. 口差しする人が、忙しくなる

これらすべてが、相手の勇気をくじくことになりかねません。対人関係においては、相手と横の関係ができていることで、課題分離がしやすくなります。親子間では、少なくともお互いに話を聞き合うことができる間柄である必要があります。課題分離だけが独り歩きをしないよう、勇気づけ、横の関係、共同体感覚をしっかり学んでから取組みたいものです。なぜなら、分離するのは課題であって、相手との関係ではないのですから。ほんらい、課題分離をすることで、私達は自分の課題に取り組めることで、ゴキゲンになったり、笑顔が増えるはず。そうでないとしたら、もしかしたら課題への別の取り組み方があるのかもしれません。

後半は、マインドフルネスを継続する技法として「リフレーミング」を実習しました。リフレーミングとは、言葉や状況に対して、視点(見方)を変えること→客観視することです。これ、簡単そうで実は意外と難しい。なぜなら、私達はすべてのことを主観的にしかとらえられないからです。これは思考の観察をして、客観視をする練習になります。

グループワークでは、自分の欠点をグループのメンバーにリフレーミングしてもらいました。「自分はこういう欠点のある人間なんだ」と思い込んでいたことをリフレーミングすることで、少し自尊心が上がります。中には「落ち着きがなくて、コロコロ気が変わる」ということを気にしているメンバーがいたのですが、はたからは「いつも活動的で、行動力のある人」に見えます。まさかその方がそれを欠点だと思っているとは、意外でした。それを伝えると「私、このままでよかったんだ」とホッとしたようなご様子でした。

自分の欠点をリフレーミングできるようであれば、中級レベルと言っていいでしょう。まずは、相手の気にしている欠点をどんどんリフレーミングして、ダメ出し脳をヨイ出し脳に変えていきましょう。

今月のまとめです。

  1. 課題分離は勇気づけの手法の一つ。横の関係と共同体感覚の理解が必須!
  2. 人の課題に踏み込むことは、相手の成長を妨げる「勇気くじき」になる。
  3. リフレーミングは、思考のトレーニング。やればやるほど、脱ネガティブに!

次回のテーマは「年間テーマ『自分らしく生きるために』を振り返る」、マインドフルネスで「自分の感情を見つめる」です。

開催日は、12月11日(土・札幌市民交流プラザ)、12月12日(日・ZOOM)です。
会員のみ、ZOOMの録画配信をしています。勉強会に参加できない方は、ぜひご利用ください。
⇒ 詳細とお申込みは、こちらから。

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