※「シンプルに生きる」カテゴリが初めての方は、【はじめに】をお読みください。
smaccのセラピスト 佐高葵月代です。以前、自宅のキッチンとマインドフルネスの記事を書いたのですが、クローゼットの写真も見たいという声が多く、今回は服とマインドフルネスについて書こうと思います。
※この記事は、メールマガジンに書いたものの拡大版です。
上の写真は自宅の私のクローゼットです。少なすぎてびっくりかもしれませんね。
シーズンごとに着る洋服は、たたんでしまわずに、ハンガーにすべてかけることにしています。
なので、春はブラウスとカットソーが7枚、スカート2枚、パンツ2枚がワードローブです。
夏はもう少し増えますが、せいぜいトップスは10枚程度。
いずれを組み合わせても、しっくりくるものなので、迷いがありません。
ちなみに、ヨーガ指導の時のジャージ類は、この中に含まれません。
クローゼットがこの状態になってから、下記の利点がありました。
- ひと目でわかるので、探し物がない → 探す時間が減り、イライラしない
ハンガーにかかっていないものは、洗濯しているか自分が着ているかのどちらかですから、あちこち探す必要がなくなりました。 - どれにするか決断を迷わない → 認知に余裕が出る
たくさん服を持っているのに「着る服がない」と感じるのは、認知に余裕がないからです。
かつて片付く前の私は、よく大量の服の前で固まっていました(笑)。 - 管理(掃除)が楽 → 時間に余裕ができる
アイロンがけやクリーニングに出すものが減りました。 - 吟味されたものだけで暮らせる → 自分の価値観がわかる
今あるものを、より大切にできるようになりました。
少なくなったことで気づいたのは、「レパートリーが少なくなり、服を持っていないと思われたら?」というのは幻想だったこと。気にしているのは自分だけだったということでした。
マインドフルネスを実践することで、上記の利点【4】に至り、ものに対する意識が大きく変わりました。
セラピーのマインドフルネスのセッションでは、「モノと自分との関わり」についてよくお話します。
これを掘り下げていくと、自分の内面が周りのモノに投影されているのが、よくわかります。
このワークで、大量のものを処分したという方が大勢います。
ただし、たくさん物を持っているのが悪いとか、ミニマリストが良いという視点ではありません。
簡単なワークをやってみましょう。
ちょっと考えてみてください。
今、あなたが着ているものは、いつ、どこでどのような気持ちで買いましたか?
それは、今もあなたが好きなものですか?
その服について、ストーリーはありますか?
大切に着ていますか?
今その服が破れたら、もう一度お金を出してでも同じものを買いますか?
もしかすると、いつどこで買ったかわからないし、「ただ何となく着ている」という方もいるかもしれません。
買った場所などは忘れたにしても、「ただ何となく」というのは、私達の選択にはないのです。
これは、マインドフルネスの認知の考え方で、無自覚的であっても私たちは意味のある行動をしているということです。
アドラー心理学でもライフスタイルという認知機能があり、そこから私たちは行動を選択していきます。
今日その服を手に取り着たことにも、理由(目的)があるのです。
昔手に入れたものは、その時は自分にとって価値のあるものかもしれません。
そして今も何らかの価値があり「大切に」しているものは、それでOK。
ただ、自分が年を取り、モノも古びてきたときに、果たして価値は変わらないのでしょうか?
よく諸行無常と言いますが、この世の中に一瞬たりとも同じ状態を保つものはありません。
私達の身体の中でも細胞が常に生まれ、そして消えていきます。
「すべてのものは変わり続けている」ことに気づくことで、自分は変われないのか、変わりたくないのか?の問いにも答えが出るのではないでしょうか。
アドラーも「変われないのではない、変わらないことを選択しているのだ」と言っています。
冒頭に、自分の内面が周りのモノに投影されていると言いましたが、マインドフルネスやアドラー心理学を続けていてモノが整理されるのは、自分の価値観が統合されるからです。
内面と外界が一致してくることにより、私達は安心し、イキイキするのではないでしょうか。
最後に2つの質問です。
その服は、今のあなたにふさわしいですか?
あなたの価値を、その服に与えていますか?
今ここに生きるということは、瞬間瞬間の自分の意図に気づくこと。
「ただ何となく」は「いつもそうしているから」なのです。
行動を自動操縦にせず、「私は意図を持って、これを選択している」瞬間を増やしましょう。
このように、周りのモノに対して、よく見ていくと、必要なものと不要なものが見えてきますよ~。