【3月】呼吸で自律神経を整える

【smaccが毎月1回発行している、ヨーガやマインドフルネスの健康法、薬膳やアーユルヴェーダ、季節のメニュー情報をお届けするニューズレターです】

smaccのセラピスト 佐高葵月代です。今年は2月としては記録的な暖かさで、札幌では14度を超えた日もありました。そしてその後また真冬日に…。3月になりましたが、皆さんお元気ですか?

季節の変わり目はお天気や気温差が激しくなるので、よく「自律神経が乱れる」と言われます。
自律神経には活動時に働く交感神経と、リラックスしているときに働く副交感神経があります。ストレスを受けると、交感神経の働きが活発になります。暑さや寒さも、身体にとっては大きなストレスとなるため、意識的に自律神経のバランスを取ることを意識しましょう。

一般に、自律神経を整える方法としては、「朝日を浴びる」「ストレッチで筋肉をほぐす」「ぬるめのお風呂に浸かる」「香りや音楽でリラックス」「寝る前にはスマホを見ない」などが挙げられます。比較的、夜の過ごし方に重点が置かれているようで、すでに実践されている方も多いのではないでしょうか。

これらの習慣に、もうひとつ加えてみませんか? それは「呼吸法」です。
ポイントは「呼吸を深くして、呼吸数を減らすこと」。息を吐いたとき肺の中に残る空気の量を「機能的残気量」といいます。これが多いと、新しく吸える空気の量が減り、肺を十分に使えていないことになります。コロナ禍から続くマスク生活で、この傾向が強くなっていて、浅く速い呼吸になりがちです。

浅くて速い呼吸は脳の扁桃体(へんとうたい)を興奮させます。すると交感神経を通じて、心拍数上昇や血管収縮が起こります。その結果、血流が悪くなりコリや冷え症の原因となると考えられるのです。

一方、深くてゆっくりした呼吸の場合は、扁桃体が鎮静します。すると副交感神経を通じて、心拍数低下と血管拡張が起こります。その結果、血流がよくなりコリや冷え症が改善される傾向となります。

扁桃体は、怒りや恐怖などの感情もつかさどっているため、浅くて速い呼吸を繰り返すと「何かイライラすることが起こっている」「不安を感じることが起こるのでは」と脳が勘違いします。浅い呼吸が心身に与える影響は、思っている以上に大きいのです。

とくに原因もなく、病院でも異常が認められない頭痛やめまい、動悸、疲れやすさ、睡眠障害などが気になるようでしたら、自律神経を整える習慣に呼吸法を加えてみませんか? 以下にポイントをまとめました。

  1. 吸うときは鼻から!
    鼻呼吸と口呼吸で1分間に吸い込む息の量を比較実験したデータでは、鼻呼吸は7.59リットル、口呼吸は3.00リットルと、鼻呼吸の方が2倍以上も効率的に酸素を体内に取り込めるのです。
  2. おへその下の方に手を当てて、そこをめがけて息を吸うイメージをする。
    手を当てたところに意識が向きやすいので、最初は手を当てて練習を。
  3. 息を吐くときは、鼻からでも口からでもOK。少しだけ長く吐くことを意識する。
    吐くときにおへその下の方が静かにふーっと沈んでいくのを手で感じてみましょう。この時、手でお腹を押さないように気をつけて!
  4. しっかり息を吐き切れると、自然と大きな息が吸い込めるので、あとは吐く、吸うのリズムが自然とできるのを感じながら続けます。5分以上続けることで、副交感神経が優位になり、リラックスモードに入ると言われています。最初は無理のない時間で練習してみてください。

難しく考える必要はないので、最初は「吐く息を少しだけ長く」を意識するだけでOKです。お風呂に入っている間でも、音楽を聴いている時でも構いません。寝た状態で行うときは、膝を立てるとお腹の動きが意識しやすくなります。

※呼吸が浅い人が深い呼吸をすると、頭がぼうっとしたり、軽い頭痛が起こることもあります。変調を感じたらいったん止めて様子を見てください。

※身体の声に耳を傾け、自己責任のもとに行ってください。

Seasonal Food & Recipes

今月お勧めの食材は、フキノトウです。

雪がまだ少し残っていても、日の当たるところから芽吹いてくるのがフキノトウです。道端で見かけると、そのみずみずしい緑色に足を止めてしまいます。味覚としても、春を告げるさわやかな苦味として古くから親しまれています。我が家ではもっぱら天ぷらにしていただきます。

フキノトウはキク科の植物「ふき(蕗)」のつぼみで、高血圧などに効果があるカリウムを豊富に含んでいます。独特の香り成分であるフキノリドは胃腸の働きを良くする効果があるとされています。苦みはポリフェノール類によるもので、新陳代謝を活発にして食欲増進や消化促進にもつながります。肝機能を強化するため、毒素をデトックスする効果が期待できます。

選ぶ際には、締まりがあって「つぼみ」が硬く閉じているものを選びましょう。大きくなり過ぎているものは苦味が強いので、小ぶりのものを選ぶと良いでしょう。保存する場合はポリ袋などに入れて冷蔵庫で保存し、早めに食べるようにします。アクが強いので、黒く変色してしまいます。

ちなみに冒頭の写真は葉が開いた状態で、このまま天ぷらにすると見栄えもGOOD。
下の写真は花が開いて茎が伸びた状態。花が開き過ぎると花粉が飛ぶので、うちはこのぐらい伸びたものは食べませんが、葉を剥いて茎を炒めて食べる方もいらっしゃるようです。

お店で下の写真ぐらいのものが見つかると嬉しいですね♪ うちでは全部天ぷらにしてしまう~。

おひたしや和え物を作る時には、アク抜きのためにたっぷりの水に塩を加えて2~3分茹で、しっかりと水にさらしてから使うと良いでしょう。天ぷらに使う場合は高温調理をするので、アク抜きは不要です。外側を洗って水けをふいてから。少し高めの温度でカリっと揚げて。多めに手に入ったら、フキノトウ味噌を作って保存食とするのもいいですよ!

春のこの時期にしか食べられない、旬の味覚を味わいながらデトックスしましょう!
フキノトウが好きすぎて、今回はたくさん写真を載せてしまいました(笑)。


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