2月から新型肺炎コロナウイルスの騒ぎで、北海道に住む私たちの生活環境にも、大きな影響が出始めています。さまざまな情報が飛び交い、デマに扇動されて買い占めに走る人も出たりと、混乱を招きます。
一昨年の、北海道の大地震の時を思い出させます。
でも今は、ガスや電気も使えるし、交通機関も動いている。
コンビニやスーパーも開いている。
普段通りの生活で、人込みを避けて家で過ごす。
これだけでいいはずなのに、なぜこんなに買い占めが起こるのでしょう。
「なくなる」という不安。
不安な気持ちは疑念を生み、普段とは違う行動をさせます。
もちろん、私にも不安はあります。
罹患したらと思ったり、仕事の今後のことなど案じます。
でも今はまだ元気です。
だとしたら、安心できることをしよう。
安心感を増やすために、好きな音楽を聴いたり、友人とビデオ通話するのもいい。
お気に入りのコーヒーを飲んだり、せっかくの休みだから昼からゆっくり風呂に入ってもいいかも。
心を不安から守るためには、情報の取り入れ方にも工夫が必要です。
テレビをダラダラ流しっぱなしにしたり、始終ニュースを見ていても、不安は消えません。
情報は、場合によっては薬にも毒にもなります。
今月は、医師で公衆衛生学者のハンス・ロスリング著『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』の内容をご紹介します。それによると、情報を客観視するために10の方法があるとされます。それは、
-
- 分断本能を抑えるには:大半の人がどこにいるかを探そう
- ネガティブな本能を抑えるには:悪いニュースの方が広まりやすいと覚えておこう
- 直線本能を抑えるには:直線もいつかは曲がることを知ろう
- 恐怖本能を抑えるには:リスクを計算しよう
- 過大視本能を抑えるには:数字を比較しよう
- パターン化本能を抑えるには:分類を疑おう
- 宿命本能を抑えるには:ゆっくりとした変化でも変化していることを心に留めよう
- 単純化本能を抑えるには:ひとつの知識がすべてに応用できないことを覚えておこう
- 犯人捜し本能を抑えるには:誰かを責めても問題は解決しないと肝に銘じよう
- 焦り本能を抑えるには:小さな一歩を重ねよう
…というものです。これらの項目は認知療法でも使われる「認知のゆがみ」の項目と非常によく似ています。つまり、私たちは非常事態になると、物事の見方に偏りが出がちだということになります。
健康のために何を食べるかを気にする人は増えてきました。ですが、情報過多の毎日で、何を選び自分にインプットするのか、心への栄養として何を(どんな情報を)得るかは、意識している方はまだまだ少ないと感じます。耳から入る栄養も、見極める時期に来ているように思います。
どんな辛い状況も、永遠には続きません。みなさん、どうか健康に留意して、そして自分と他者の心の明るい部分を見る努力をしてみませんか。