適量を見極める

※「シンプルに生きる」カテゴリが初めての方は、【はじめに】をお読みください。

smaccのセラピスト 佐高葵月代です。「シンプルに生きる」では、モノとマインドフルネスの関係について、私の体験を交えて書いています。

マインドフルネスの視点での片付けのルールは、とてもシンプルなんです。
それは「今の私」を中心に考えることです。
マインドフルネスは「今ここに生きる感覚」のことなので、今の私がどう生きているかを丁寧に見ていくのです。

私たちのモノの量は、住む環境や家族構成、趣味などにより、千差万別です。
ですが、どんな状況においても、

今の私にとってこれは大切なのか?
今の私はこれが好きなのか?
今の私にはこれが適量なのか?
今の私はこれを見て幸せな気持ちになるのか?

を考えます。

今回は「適量」について。みなさんは、何をたくさん持っていますか?
私の場合は、料理が好きなので調理器具と食器が多いのが特徴でした。
若い頃は便利な器具はあれこれ買って試したものです。
食器は料理ごとに「このお皿」と専用にしていたものも多く、友人が食器棚を見て「6人家族のうちの食器よりはるかに多い」と驚いたこともありました。

ある時、片付けを手伝ってくれた夫が「食器の種類が多過ぎて、どこにどれを戻したらいいか、わからなくなるよ」というのを聞いて、ハッとしたものです。
ちょうどその頃、夫も私も体調がよくなく、頻繁に家に人が集まって食事をする機会が減った時期でもありました。私も腕を振るう回数が減り、たくさんの食器を見てはタメ息をつく日もありました。

思うように料理が作れない、人が集まれない・・・。
できないことに集中してしまいがちな時でもありました。
できないことに意識を向けると、自分の能力の低さや、体調の悪さ、「我慢」していることがクローズアップされます。

でも、今あるこの生活が、自分なりに少しでも楽しめるようにするには、何ができるだろう?

その時に思ったのは「今、夫婦ふたり家族にこれだけの食器は必要なのか?」「今、これらの食器はうちの食卓で大切に扱われているか?」でした。
どれもこれも思い出のあるものばかりですが、お倉入りしているものも結構ありました。
まずは食器全体の数を見てみると、直径25センチのディナープレート6枚セットが4種類、他にも取り皿6枚セットが8種類など、とにかく量が多かったのです。
あきらかに夫婦ふたりには多すぎます!

これには、理由がありました。
かねてから母は「食器は必ず6枚(個)で揃えておくこと」と言い続けていたものです。
「お客さんが来たときに、食器はお揃いでないと」と、どこかで母なりのイメージがあったのでしょう。

それが当たり前だったので、「6枚(個)」から離れられなかったのでした。
結局、ディナープレートは全処分。
それに代わって、大皿に盛ったものを取り分けるというスタイルにすればいいだけでした。

この時の思考の転換で、96枚(個)もの大なり小なりの食器を処分することになりました。
その数年後にはコロナ禍となり、親族が集まる機会さえなくなって、ますます食器は減り、今は最初の1/3ぐらいの量に。
大量の食器が食器棚に収まっている景色があたりまえになると、本当の適量がわからなくなるのですね。
今のうちの食器棚は、埋めるための空間ではなく、ひとめでお気に入りがわかる空間となりました。

食器に合わせて料理を作るのを楽しみにした時期もありましたが、張り切り過ぎて腕を振るうのが疲れる年代になったこともあり、食器の数は「今の自分の体力と気力で賄えるぶんだけ」に落ち着きました。

今、うちでよく登場するのはこれらの皿たち。


小さな絵皿は九谷焼で、紅茶のメーカー ルピシアのもの。
柄違いですが、母に「なぜ揃いの柄で6枚にしない!?」と言われそう(笑)。

赤い皿はル・クルーゼのもの。厚くて少し重みがあります。
意外と赤い皿は料理を引き立てます。茹でたアスパラを乗せると、皿も素材も美しく映えます。

鶴の柄の皿は、Dreams Come Trueのオリジナルグッズ。
長崎の波佐見焼です。写真ではわかりづらいですが、青い鶴の柄のほうは青磁っぽい感じの色合いで気に入っています。

あとはお茶碗とお椀で、あれこれ事足りています。
食器棚を開けると、すぐにしまえるので、夫も手伝いが楽になりました。(^-^)/

今も食器は好きで、陶器市など見に行きますが、以前のような衝動買いはなくなりました。
「今の自分」にフィットするもの、足りないものを買い足すぐらいの気持ちで、食器と向き合えるようになりました。

自分にとって、何が容量オーバーなのかを客観視してみると、こだわりが見えてくることが多いですよ。
次回は適量シリーズ第2弾。本とCDの整理について書いてみようと思います。


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