第120回 「アドラー心理学の自尊心」と「マインドフルネスを継続する技法~リフレーミング~」

アドラー心理学研究会Plus代表の佐高葵月代です。2023年4月22日(土)と23日(日・ZOOM)、第120回アドラー心理学研究会を開催しました。今回の前半のテーマは「アドラー心理学の自尊心」です。自尊心は勇気づけを語る際には必要不可欠なものです。みなさんにとっての自尊心とはどんなイメージでしょうか? よく、プライドと混同される方がいらっしゃいますが、アドラー心理学では「自尊心とは、すべての人に備わる価値」ととらえます。

カナダのモントリオール在住のアドラー心理学の研究者であるジョゼフ・ペルグリーノ博士が、2013年に東京で開催された「自尊心を高める」ワークショップで、自尊心についてこのように述べていました。

自尊心は、私たちが成長する過程で発達した信念、態度、感情、行動の結果として、内側に作られた力。

自尊心とは、自分の価値、能力、潜在的な力、自己評価に基づく感情ともいえます。

自尊心は体の免疫システムのようなもの。この免疫システム(自尊心)は一時的に不具合が起こったとしても、元の状態に戻ろうとする力を発揮して、強さや健全な能力を発揮します。

つまり、自尊心は私たちのライフスタイルとともに発達し、他者との比較や他者からの評価によって、上がったり下がったりしがちです。ここだけに重きを置いてしまうと、自分の価値や能力を外側に求めてしまい、承認欲求が強くなる可能性もあります。自尊心にはもうひとつ大事な要素があります。それが「自分らしくあること」です。

この「自分らしさ」が実は自分の価値やリソース(能力や潜在的な力など)を高め、しっかりとした心の基盤を作ります。研究会ではよく、自分らしさを感じるためのワークを行いますが、なかなかピンとこない、という声が多いのも事実です。

そこで、今回のワークでは、レーダーチャートを使って、いくつかの質問についてアドラーを学ぶ前と後の自分の傾向を探ってみました。自分や他者についての行動や感情、失敗や比較についてどうとらえるかを5項目にわたり答えます。点数が低いほど、自尊心が低いという状態を表します。下のチャートは恥ずかしながら、私のものです。青線がアドラー以前、赤線がアドラー後のビフォーアフターです。青線の輪、ちっちゃい!(笑)。

アドラー心理学を学ぶ以前は、今の仕事とは違い、競争が激しいジャンルであったことも影響し、比較や失敗を極端に恐れていたこと、そこで生じる不安や焦りを抑え、前へ前へ進まねば!とシャカリキになっていた時期でもありました。だからこそ、頑張れた部分もあったのですが、全体としては自尊心が低いのが顕著にわかります。

今現在の状態は赤線で囲みましたが、とくに感情を受け止め、なだめ、落ち着かせるという自己勇気づけに必要な「自分に対する共感の態度(セルフ・コンパッション)」ができるようになってから、比較を恐れず、行動も意識的に対応することで、自分らしく振舞っている感じがするようになりました。自尊心はだいぶ回復したように思います。研究会のリアル開催でもZOOMでも、人それぞれのチャートがあって、盛り上がりました。

先にも書いたように、自尊心はふとしたことで上がったり下がったりします。「自分らしさ」という要素を常に意識してみると、自然とチャートの輪が大きくなるように感じました。また折を見てこのワークは行いたいと思います。

後半は、「マインドフルネスを継続する技法~リフレーミング~」です。リフレーミングとは、視点(見方)を変えることで、出来事などの枠組み(フレーム)をポジティブに解釈することです。過去へのこだわり、失敗への執着などが強い場合などには、とくに有効なトレーニングです。短所、障害、悩み、危機は、見方を変えると長所や学びのチャンスと捉えることもできます。Aと捉えているものを、Bと考えるという方法なので、実際にやってみると最初は違和感を感じたり、言葉が出てこないことで難しく感じるかもしれません。脳がいつもと違う視点で見るようにすると、このように感じることが多いのです。

今回は意味のリフレーミングのワークを行いました。例えば、性格を表わす「頑固」ですが、これをポジティブな言葉で置き換えると? 人によっては「頑固は頑固でしょ!」と言い換えできないという方もいらっしゃるかもしれません。ですが、頑固さは「意志が強い」と言い換えもできますよね。グループワークでは、自分の短所と思える言葉を、相手に置き換えてもらう練習を行いました。自分の短所は、自分ではなかなかリフレーミングしづらいものです。まずは友人や身の回りの人のリフレーミングで練習するのもいいですね。

もうひとつ、状況のリフレーミングというのもあります。「階段で転んでしまったけど、骨折しなくてよかった!」のように、ネガティブな状況において俯瞰してポジティブに捉える力をつけることです。意味のリフレーミングと状況のリフレーミングを練習することで、自分や他者に寛容になったり、危機的状況においても、楽観的な視点が作れることができます。ただし、脳の機能を変えていくトレーニングなので、ある程度の期間と意志の強さで、意識的に行う必要があります。やってみると意外と楽しいものです。ぜひ、お勧めしますよ!

今月のまとめです。

  1. 自尊心を上げ下げするのは自分自身。比較や評価も捉え方次第。
  2. 自分の自尊心が下がる状況や傾向がわかると対策しやすい!
  3. リフレーミングは脳の機能を変え、セルフトークまで変えていくツール。

次回のテーマは「孤立せずに自立する!所属のパワー!共同体感覚」「『ぼっち』を楽しむ、マインドフルネス瞑想のススメ」 です。
ぜひご参加くださいね。

日程は5月20日(土・交流プラザ)、5月21日(日・ZOOM)です。
⇒ 詳細とお申込みは、こちらから。


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