第129回 アドラー心理学とマインドフルネスの「勇気とレジリエンス」

アドラー心理学研究会Plus代表の佐高葵月代です。1月20日(土)と21日(日・ZOOM)、第129回アドラー心理学研究会を開催しました。今月のテーマは、アドラー心理学とマインドフルネスの「勇気とレジリエンス」です。

毎年年末に翌年の年間テーマのアンケートをメールマガジンメンバーと、参加メンバーに回答いただきます。その結果、今年のテーマは「ホールネス再探訪 ~ 今ここから始める、ひとつ先の在り方へ ~」に決まりました。昨年の年間テーマは「私らしさを活かして、全体性を生きる」で、「ホールネス」とアドラー心理学の「全体論」を意識した1年でした。このホールネスという概念が、「裏表のない自分」や「不完全であることへの勇気」と結びつき、多くのメンバーの心にヒットしたようで、「もう少しホールネスを考えたい」というご意見も多く、今年の年間テーマにまた取り入れることとしました。過去にこだわらず、今ここからの「自分の在り方」「他者との関係性の在り方」について一緒に探求したいと思います。

そこで、今年初の月間テーマにしたのが「勇気とレジリエンス」です。レジリエンスについては、昨年の研究会でも何度も取り上げました。レジリエンスとは、ストレスを受けた時に元のコンディションに戻れる【心の回復力】であり、【変化への適応力】のこと。ストレスに柔軟に対応できる心の筋肉とも言えるでしょう。アメリカ心理学会はレジリエンスを「逆境、心的外傷、悲劇、脅威、人間関係問題、深刻な健康問題などから起こるストレスに、うまく適応する力」と定義しています。

ポジティブ心理学の第一人者イローナ・ボニウェル博士によると、次の4つの構成要素について考えることで、レジリエンスの力(レジリエンス・マッスル)を鍛えると言われます。(1)私にはできる (2)私が安心できる (3)私の強み (4)私が夢中になれる

以下は、佐高自身がそれに独自の解釈を加えたものです。4つの要素は、アドラー心理学の自己勇気づけに必要な3つの態度の「自己信頼」、「自尊心」、「自己共感」と関連付けられます。4つの要素について答えていくことで、自分自身を勇気づける力を助けます。

レジリエンスの力がついてくると、ストレスに対する見方が変わります。ストレス自体は変わらなくても、それに対する認知が変わることで、行動も変わります。これは、勇気づけられている人が、ストレスを誰かのせいにしたり、環境のせいにしないことにもつながり、レジリエンスと勇気の双方を強めていくと考えられます。

今回は、困難な状況を乗り越えた体験なども含め、自分がどのような価値観に沿って生きているか、「人生のキーワード」も探ってみました。自分が取る行動の背後には、意識的であれ無自覚的であれ、何らかの価値観(またはミッション)があります。それに従って生きていると、とても楽に感じたり、自分らしくあると感じられます。

私自身のミッションキーワードは「愛」「勇気」「貢献」です。いずれも壮大なテーマで、人に言うにはちょっと照れ臭くも感じますが(笑)、日々の小さな行動にもちりばめられています。例えば、私の日常では、朝一番の仕事である夫の弁当作り。面倒だなぁと思うことがあったとしても「1日頑張ってくれる夫のため、活力になる愛情込めた食事作り」という愛と貢献の行動だと実感することで、面倒くさいという気持ちは吹っ飛びます。これを仕事や対人関係に広げていくと、少しずつではありますが、見方さえ変化していきます。

メンバーの中では「健康」を取り上げる方も多かったです。そのためにしていることは?「早寝早起き」「日々のトレーニングのルーティンをこなす」「イライラしない」などが挙がります。ミッションと行動が繋がると、自然と日常にミッションが溶け込んでいくのです。今後も、価値観や勇気づけ、レジリエンスはテーマに取り上げたいと思います。

次回第130回の開催は、2月17日(土・札幌市民交流プラザ)、18日(日・ZOOM)です。テーマはアドラー心理学とマインドフルネスの「これからの未来志向~楽観と悲観の狭間で~」です。楽観的と楽天的は違います。悲観って悪いことなの?など、未来志向に必要な要素についても考えていきましょう。
⇒ 詳細とお申込みは、こちらから。


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