みなさん、こんにちは。smaccのヨーガ・セラピスト佐高葵月代です。東京オリンピックの熱気も、夏とともに去っていった感のあるこの頃です。みなさん、お元気ですか?
今回のオリンピックで、男子水泳で100mバタフライなど、見事5冠を達成したアメリカの選手ケーレブ・ドレセル選手の呼吸について、今回はお話したいと思います。彼の泳ぎの特徴は、疲れが出るレースの残り15メートルを、一度も息継ぎをせずに泳ぎ切るということ。この無呼吸泳法がドレセル選手の秘技ともいえるものです。
私も水泳を趣味としていたことがありますが、息継ぎをするとフォームが乱れるので、確かにスピードは落ちます。いかにフォームが乱れずに息継ぎをするかを、必死に練習したのを思い出します。無謀な練習を試み、水の抵抗を受けながら無呼吸でいる苦しさも、体験したことがあります。(^-^;;
ドレセル選手は、呼吸筋の一つである胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)をうまく使うことで、横隔膜など他の呼吸筋の疲労を抑えつつ、より多くの空気を吸い込むことで、息継ぎを減らすことができたと考えられています。胸鎖乳突筋は、首を真横に向けたときに、耳たぶの後ろの頭蓋骨から鎖骨にかけて斜めに走っている筋肉です。
私達は競技をするわけではないので、胸鎖乳突筋を「鍛える」よりはマスク生活で緊張が強くなった状態を「緩め、しなやかにする」のが得策かと思います。ある調査で、呼吸回数を測定できるセンサーを身体に付けて5分間観察してみると、マスクありの鼻呼吸では呼吸回数が29回、同じく口呼吸では55回だったという結果が出ています。口呼吸だと、息がじゅうぶんに吸えていないので回数が増えるということです。がんばって呼吸をすることで、呼吸筋が固まってしまうので、肺に悪影響が出てくる可能性もあります。
そこで今月は、胸鎖乳突筋を優しく緩め、呼吸を深くするマインドフルな呼吸法を実践しましょう。
※仰向けでも、座ってでもできる呼吸法です。
- 仰向けで行う場合は、両膝を立てて行います。座位の場合は背筋首筋を伸ばして座ります。
- 最初に左手を胸に当て、右手をおへその下に当てます。
- 息を吐いて顔を左真横に向け、吸って正面に戻します。これを1回として15回行います。
- 終わったら右手を胸に、左手をおへその下に当てて、息を吐いて顔を右真横に向け、吸って正面に戻すことを15回行います。左右1セット行います。
- 終わったら両手を下ろし、普段の呼吸に戻して、休息しつつ呼吸法の余韻を味わってください。
※頭が下を向かないよう、顎を心持ち引いて行いましょう。
※身体の声に耳を傾け、自己責任のもとに行ってください。
※この呼吸法は、ヨーガの指導者であるマスター・スダカーのワークショップで体験したもので、のちに佐高が呼吸筋との関連性と効果の検証を行った内容を掲載しています。
今月のおすすめ食材は「柿」です。八百屋やスーパーの店頭にも、鮮やかな柿が並び始めました。今が旬の柿は、薬膳の効果としては、熱の除去、肺の乾燥を潤したり、喉や口の渇き予防、便秘や口内炎予防などがあります。
昔から「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われるほど栄養価が高く、柿に多く含まれるカリウムは塩分(ナトリウム)を排泄する役割があります。このことから、高血圧の予防にも効果があるとされます。ビタミンCは柿1個で1日の必要量を、ほぼ摂取できるくらい含んでいるそうです。柿は体を冷やす食材なので冷やさずに常温で食べるのがお勧めです。
我が家でこの季節によく食べる柿を使ったレシピは、固めのものは細切りにして水菜と和えてサラダにします。ドレッシングは、クリーミーなシーザーサラダドレッシング系のものでも、フレンチドレッシングのような爽やかなものでも合いますよ。
クリームチーズとの相性も良いので、食べやすい大きさに切り、黒コショウを少しふって食べるのも美味しいです。