第127回 アドラー心理学とマインドフルネスで読み解く「コンフォートゾーン」

アドラー心理学研究会Plus代表の佐高葵月代です。11月18日(土)と19日(日・ZOOM)、第127回アドラー心理学研究会を開催しました。今月のテーマは「アドラー心理学とマインドフルネスで読み解く『コンフォートゾーン』」です。

「コンフォートゾーン」とは「安心できる居心地の良い領域」のことです。よく、コンフォートゾーンはぬるま湯であったり、コタツなどのように、なかなか抜け出せない領域に例えられ、どちらかというと「何とかして抜け出さなければならない」場所のように思われがちです。

ですが、最初にはっきりと言ってしまうと、コンフォートゾーンは悪いものではないのです。というのも、コンフォートゾーンの範囲内にいれば、心の安全が保たれ、ストレスや危険を感じない「私らしい」場所であることから、そこにいれば(良いことであれ、悪いことであれ)自分なりに安定したパフォーマンスが発揮できる環境とも言えるからです。

私達は人生の中で、心地良い状態と心地悪い状態を記憶し、快と不快を決めるガイドラインのようなものが出来上がっています。このガイドラインのことを、アドラー心理学では「ライフスタイル」、マインドフルネスでは「認知」といいます。

この振り幅の「不快」側が狭いと、ちょっとしたことにネガティブな感情が出て来て、過剰反応したり自分の殻に閉じこもったりします。私たちが成長するためには、「コンフォートゾーン」から抜け出す必要が出てきます。この時、葛藤が起こります。「成長はしたいけど、ここ(コンフォートゾーン)から出るのが怖い…」いったん「Yes(はい)」と言って、目標に近づこうとするのですが、「But(でも、しかし)」という言い訳を持ち出して、現状のコンフォートゾーンに留まろうとするのです。

コンフォートゾーンの境目(エッジ)の周りを行ったり来たりしながら、「わざわざ未知の世界に足を踏み出すよりは、今のままのライフスタイルでいい」と思ってしまいます。つまり、変われないのではなく変わりたくないのです。「できない(can’t)」のではなく、「したくない(won’t)」と考えて、変わろうと思えば変われるのに、変わらないでおこうという選択をしているのです。

今回は、かつて自分がコンフォートゾーンを超えた時の体験や、その時の感情についてグループワークをしました。

乗り越えた体験は、異文化での生活、仕事(転職、異動)、対人関係、家族との関わりなど、多岐にわたりました。

コンフォートゾーンを出る練習法として、「日常生活で、ちょっとした部分を変える」ことを提案します。いつもと違うものを食べてみる、少しだけ模様替えをする、帰り道を変えるなど、日常のパターンから抜け出してみることで、ちょっとした違和感を体験することが大事です。自分の振り幅を感じながら、人のライフスタイルに触れることで、少しずつ振り幅を変えていけるようになります。

次回のテーマは「全体性を生きる今…今年を振り返って」です。今年の年間テーマは「私らしさを活かして、全体性を生きる」です。自分らしさは見つかりましたか? 今年を振り返り、このテーマについて語り合います。今回は会場が変わりますので、ご注意のうえお申込みください。

日程は12月16日(土・生涯学習センターちえりあ)、12月17日(日・ZOOM)です。
⇒ 詳細とお申込みは、こちらから。


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