smaccのヨーガ・セラピスト 佐高 葵月代です。
札幌は2月4日から雪まつりが始まります。例年多くの観光客の方がいらっしゃるのですが、新型肺炎の騒動で激減しているとのこと。マスクや手洗いでウイルスの予防も大切ですが、自分の免疫力を高めて乗り切りたいものです。
アーユルヴェーダ(インドの伝統医学)では、食事と睡眠は健康に生きるための大きな柱とされています。しかし現代に生きる忙しい私たちは、何かをするための時間を得るために、睡眠を犠牲にしていることも多いようです。ウイルスから身体を守るための免疫力を上げるためにも、質の良い睡眠は欠かせません。アーユルヴェーダでは午後10時~午前2時までが睡眠のゴールデンタイムだとされています。この時間は、内臓を休ませ、血液や筋肉、ホルモン、爪や髪などを育みます。
時間的には寝てるのに疲れが取れないという方は、アーユルヴェーダの智慧として、(1)寝る前に胃の中に物を入れない (2)心も身体も良いことに触れて寝る をお勧めします。(1)は食べないことです。寝ている時に内臓を休ませるためにも、寝る2時間以上前には夕食を済ませたいものです。(2)は、緊張を取るためのヨーガや瞑想をしたり、暖かくて清潔な寝具に包まれて安心して休むなど。できる範囲で、工夫をしたいものです。
マインドフルネスのアプローチとしては、「布団に入ったら反省しない」ことをお勧めします。1日を振り返りながらお休みになる方も多いでしょう。その時に、やり忘れたことや、つい相手を傷つけることを言ってしまったこと、嫌な思いをしたことなど、思い返していませんか?
過ぎてしまった時間のことでも、脳裏にそのできごとを思い浮かべると、身体は今起こっていることなのだと錯覚し、身体に緊張を呼び込みます。「なんであんなことを言ってしまったんだろう?」「どうして私だけがこんな目に遭うの?」といった、つぶやきのような質問をすることで、寝ている時も脳はずっとそのことを考え続け、答えを出そうとします。
これは、デフォルトモード・ネットワークという脳の機能のひとつで、これが過剰になると、寝ている時も疲れが取れない原因とされています。「今日も1日お疲れさま。今日はもう考えなくていいよ」と脳にも休息のサインを出して、寝る前の反省はやめましょう。
食事の風予防という観点で、中医学では「正気(せいき=体を守る力)」と「邪気(じゃき=風邪などのウイルス、細菌など)」がバランスをとっており、邪気が生気より強くなった時に風邪をひくと考えられています。
皮毛(皮膚、汗腺、うぶ毛など)には、「衛気(えき)」という気が行き渡っており、体に悪い影響を与えるものから守っています。衛気は肺と関りが深く、衛気を強くするには肺機能を上げることが大切です。肺は潤いを好み乾燥を嫌うので、乾燥も風邪の原因になります。
風邪予防におすすめの食材は、気を補い養う「補気」作用を持つ食材と、肺を潤す「潤肺(じゅんぱい)」作用の食材です。米、玄米、落花生、もち米、大豆、白きくらげ、れんこん、ユリ根、じゃがいも、さつまいも、山芋、枝豆、オクラ、椎茸、かぼちゃ、アボカド、ウナギ、ぶり、肉類(中でも羊肉は身体を温めます)、柿、バナナ、みかん、はちみつ、松の実、白ごまなどを取り入れましょう。温め食材のショウガもぜひご一緒に。