アドラー心理学研究会Plus代表の佐高葵月代です。2021年12月11日(土)と12日(日・ZOOM)、第104回アドラー心理学研究会を開催しました。コロナ禍で仕事の都合もあり1年半ぶりに参加してくれたメンバーや、遠方からZOOMでずっと参加してくれたメンバーが駆け付けてくれたりと、嬉しいサプライズもあり、会はとても温かい雰囲気に包まれました。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。
今回は、年末恒例の年間テーマの振り返りです。「自分らしく生きるために」をアドラー心理学やマインドフルネスをからめて振り返りました、後半は、マインドフルネスで「自分の感情を見つめる」がテーマです。
最初に、前回の研究会で募った2022年の年間テーマと、アドラー心理学で学びたいキーワードの集計を発表しました。たくさんのご意見をいただき検討した結果、年間テーマは「自分と共に、人と共に生きる」を採択させていただきました! 回答全体を通して「共同体感覚」や周りの人(仲間)を意識したものが多いと感じました。いっぽう、自分自身と向き合う内容も目立ちました。それらを網羅した素晴らしいテーマだと思いました。
月ごとのキーワードランキングは、下記の通りでした。
- 共同体感覚
- 勇気づけ
- 未来志向
- 逆引きアドラー(年2回)
- 自己決定性
- 自尊心
- 目的論
- 横の関係
- 対人関係(職場編)
- 劣等感
- 対人関係(自己理解編)
来年は、これらのキーワードをちりばめた月ごとのテーマを決め、マインドフルネスとともに実践できればと思っています!
今年のマインドフルネスは、理論ベースの内容が多かったのですが、来年からは実習をバンバンやっていきます。体験することこそすべて! 楽しみです。
さて、今月の研究会の内容にもどります。前半の「年間テーマを振り返る」では、グループでの振り返りが中心となりました。アドラーとマインドフルネスを実際に生活に活かしてみて、さまざまな体験があったようです。自尊心を取り戻せた方、「マインドフルネスと片付け」を学んだあと、物の整理が加速度的に進んだ方、16キロ(!!)痩せた方!!など、たくさんのお話を聞かせていただきました。
人と話してみて、自分のこだわりに気づくことができたという声が多く、アドラー心理学のライフスタイルやマインドフルネスの認知の捉え方など、参考になったようでよかったです!
私の中では、「自分らしさ」には、無理や我慢がそれほど含まれておらず、「のびのび」していたり、笑顔が自然と出る心身の状態かなと思っています。「ねばならない」「こうしなければ」から脱却した状態かな。
研究会では、アドラー心理学の目標についてお話しました。
行動面の目標:①自立すること ②社会と調和して暮らすこと
心理面の目標:①私には能力があると思えること ②人々は私の仲間だと思えること
行動面の目標は、甘えたり依存せずに自立する=自己勇気づけがしっかりできることであり、自分本位(私的感覚=プライベートロジック、私的論理)で生きるのではなく、共同体でのコモンセンス(共通感覚)も意識できることが含まれます。心理面の目標については、共同体感覚が含まれていますね。勇気と共同体感覚を意識して生きることで、自然と周りと調和できるのかもしれません。これは、自分らしさの延長にある状態かなと思うのですが、いかがでしょうか?
後半の「マインドフルネスで自分の感情を見つめる」は、9月の研究会のテーマ「不安を乗り越える」をさらに深めた内容です。マインドフルネスは脳科学の発展とともに、科学的根拠を得た心理療法です。なので、感情の理解も脳機能から入るとわかりやすいでしょう。
メンタルタフネスやストレス耐性の個人差は、扁桃体の感受性によって 生まれるといえます。扁桃体が不安を感じ続けると前頭葉にも不調をもたらし、うつ症状が引き起こされることがわかっています。好き、嫌い、快、不快は過去の記憶と照らしあわされて、瞬時に判断されるものです。これは体験により、より強化されるものなので、意識をしないとなかなか変えていくことができないのです。
瞑想を使って感情のコントロールをするという実践もあるのですが、その前段階のステップを行うことで、瞑想に取組みやすいことから、研究会ではいろんな技法を試みています。来年も、いろいろ試してみましょう。
今月のまとめです。
- アドラー心理学は、社会と調和し、自立して幸せに生きるための心理学。
- どんな感情も自分から出たもの。自分の感情には自分で責任を持とう。
- 感情は単体では出て来ない。思考が起こり、それに付随して感情が起こる。
次回のテーマは「アドラー心理学の自尊心」「マインドフルネスで穏やかな心をつくる~呼吸法の実践~」です。
開催日は、1月15日(土・札幌市民交流プラザ)、1月16日(日・ZOOM)です。
会員のみ、ZOOMの録画配信をしています。勉強会に参加できない方は、ぜひご利用ください。
⇒ 詳細とお申込みは、こちらから。
コロナ禍で試行錯誤しながらの1年でしたが、こうして無事に今年最後の研究会を終えることができて、ほっとしています。来年も、「勇気づけの実践と、今ここを生きる研究会」を続けて行きます!
ご縁のあったみなさん、本当にありがとうございました。来年も、どうぞよろしくお願いいたします。
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